2017.03.26 Sunday/22:15 |
人は愛すべき人間として死なねばならない(できるものなら) |
人は愛すべき人間として死なねばならない(できるものなら)
この一文に、特にカッコないの一言に君は心動かされる。
これは類希な繊細さの表れだと君には思える。
愛すべき人間となることが、とりわけ老いた者、老衰に入って行きつつあり
他人に世話をしてもらわねば者にとっていかに難しいかを
大きな代償を払って理解した人間の一言だと思える。
で・き・る・も・の・な・ら・
人間にとっておそらく、終わりに至って愛すべき人間である事こそ
最高の達成だろう。
「苦々しい」時期であろうとなかろうと同じ事だ。
尿と糞とヨダレで死の床を汚す。みんなそこへ向かっているんだと
君は自分に言い聞かせる。
問題は無力で退化した状態で持ちこたえながらどこまで
人間らしくいられるかだ。
自分が最後のベットにもぐり込むとき何が起きるか見当もつかないが
君の両親のように突然逝ってしまうのでない限り、
愛すべき人間でいたいと思う。。できるものなら・・
「冬の日誌」ポール・オースター
きっとそれは冷たくなっても生きたいという欲求なんだな。
手を握ってくれる人、愛する人の中で・・
なかなかかっこ良くポックリとはいかないね。