2017.05.11 Thursday/05:58 |
武道教育取り入れのキッカケ |
普通選挙法と治安維持法が成立した1925年、
第一次大戦を経て不況が深刻化すると
日本の労働争議数がピークに達した。
また大正デモクラシー運動や労働運動に対して政府は
治安対策の観点から警察力を拡大した。
その一方で国民の間では反警察感情も浸透し
学生運動は社会主義と連動し本格的になってきた。
それを危惧した文部省が、欧米から流入するデモクラシー思想に
対抗する思想善導の手段として武道導入を検討しはじめた。
武道は修学の必修科目に制定された。
この措置は公民科の新設に連動していて、学生の左傾化を防ぐため
心身鍛錬修養を武道教育に求めた。
満州事変、国際連盟脱退、日中戦争と続き、日本は国際社会から
孤立する一方で、国内では武道教育を通して
国体の護持が図られるようになった。
「性と柔」 溝口紀子著 より抜粋