2018.07.18 Wednesday/20:57 |
マンハッタン計画と原発。 |
category: - | author: とらひげ |
マンハッタン計画はきわめて単純な目標を持った計画だった。
可能な限りの破壊力と殺傷能力の大きい兵器を作るという事であり
経済性や労働者の環境安全といったことは、その目標からすれば
どうでもいいことだった。
そしてそれは技術的に達成可能な目標だった。
だが、原子力の平和?利用ともなると全く別の問題である。
経済性も安全性も大前提の大きな問題であり、
そして何よりその技術導入が人々を幸せにするものでなくては
なんの意味もない。
ここが大量殺戮兵器をつくるのと決定的に違うところだった。
だが、マンハッタン計画から原子力利用計画へと
核技術を引き継ごうとした人々はこの肝心な点を忘れ、
マンハッタン計画のやり方を踏襲したのだ。
一口にいえば、それが原子力開発40年にして、
「核」が達成したした成果よりも遥かの多くの難問に
私たちが直面していることの歴史的背景である。
「脱原発の哲学」より抜粋