2018.08.08 Wednesday/23:35 |
水俣病と福島原発事故 |
水俣病裁判で先頭に立って戦った熊本大の故・原田正純医師は
「公害 環境研究のパイオニアたち」と言う本で、福島原発故に
関して言及している・・
原発事故が起こって以来、マスコミがたくさん取材にきました。
この事故と水俣病がダブって見え、取材に来たのだと思います。
確かに共通点はたくさんあります。
被害が非常に大きかった事。
現在も尚未解決の問題である事、企業と行政の責任であることなど
共通点はたくさんあるんですが、福島原発事故の放射能汚染の問題は
水俣病よりはるかに深刻である事を申し上げておきたい。
水俣病が半世紀にわたっても解決しないままなのは、
あきらかに行政と企業の責任です。
今回の事故は、仮に、というのもおかしいんですが、
きちんと対策をとったとしても、結果がでるのは10年、20年いや
もっと先になります。
この点が違っており、水俣病よりはるかに深刻だと思います。
また水俣病ではいろいろな議論があり、裁判もありました。
しかし、患者の救済に困るほど症状がわからないことはなかった。
私は医者ですが、医者からすれば症状がわかる状態でした。
ただ、怠慢でやらないだけでした。
この福島原発事故の放射能汚染の場合は、将来どういった形で
健康被害としてでてくるのか、必ずしもわかっていません。
たとえば発がん性の問題も一般のものとどう違うかなど、
そういう意味ですごく深刻です。